今日の遊戯王DSNT(大会優勝後の日常をゲームで表現してある)

 トレカを始めた時の環境が今思うと最悪だった。後に「チーム大阪」としてプロ集団になるそのグループは借金まみれの博徒がいた。そうでないひともいるのだろうがな。

 ただ、彼らの輪に入ると金を巻き上げられるということではなく、賭けなしでひたすらゲームとして色々の博打を練習して、敵視しているものから奪ったり、素人を脅したり、今考えると分かるのはあの中で覚えたことを無暗にギルドの外に漏らすことはない。

 とかく、皆強かったからその中にいる自分も同じくらい強いと思っていて、増長していた。それで元々の友達と仲が悪くなったことも今思うと偶然とか俺のいけなかったところもあるのだが。三国志の漫画が好きなやつがいたので諸葛孔明の罠のうち相手を仲たがいさせる離間の計を使われたのではないかと必要以上に怖く思っていた。

 大会成績もあって景品も取って、それ以上どうなりたいという時に、その頃はまだ勝負の摂理を知らなかったので「絶対勝てるデッキ」みたいなものを考えていた。

 優勝するのは一人しかいないので、そのためにはすべての勝負に勝つ必要があり、それをなすのは何にも負けない最強のデッキが必要である。という感じか。

 しかし例えを極端にすると誰でもできるじゃんけんで、上昇無敗ではなくともトーナメント表を書いて参加者を募って順番にじゃんけんすると一人は必ず全勝優勝するのだ。

 ただ、そのふたつは完全な別問題で、ゲームにも腕はあるしデッキも強さがある。闇遊戯とは五分で裏キャラのひとりネタバレ防止には負け越し。その状態で連戦も突破して優勝もして、ゲームはレベルとカード引継ぎで2周目状態となる。

 1回優勝して消えたやつというのは大会の数からベテランの優勝回数を引いただけいて、それぞれみな隠れて他の何かの仕事をしている。大会が終わってみんなちょっと強くなっている。数ある趣味のひとつにちょっとのめりすぎているだけかもな。

 攻略でも囲おうかなと思ってたけど、出回っている攻略情報より、たぶん今の俺はもうちょっと良いことを知っている。それをネットにアップすると、真似られる。以前はそれでも競技レベルの底上げをしたいみたいな生意気を思っていたけど、もはや波の論理性や文筆では語りつくしがたい。

 だけど、既にゲームソフトになっていてプログラムもリリースも済んでいるDSNTがあるわけで、そしてこのゲームを遊んだ未知の仲間が全国に津々浦々いるわけで。

 相手して面白いコンピュータは勝ってくるやつではなく、最後には勝てるけど難儀な邪魔をしてくるやつなのだろう。2周目はただやっつけて物足りなくなるのではなく、1キャラ1キャラとデュエルを楽しんで遊んでいる。

 もう悩まなくても自分は優勝者という設定で、それでも友達が嫌がらずに遊んでくれる。そんな理想をゲームの中で仮想体験しているのだ。


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