史観

 一昨日までの俺の史観はロシアと英国が欧州の東西にあって、王国同士が仲が悪くて間に挟まれた現EU圏はずっと日本の戦国時代のように領地の奪い合いをしている。それが大航海時代からコロンブスの新大陸発見を経て、英国が米国を領有して地球の反対側である日露とか日中までロシアと英国の争いが飛び火してとばっちりだから、戦争するなら元通り欧州の東西でやってくれってのが今のウクライナ紛争だと思っていた。

 しかし、この史観には高校で何となく習って出来たもので大きな欠落がふたつある。

 ひとつはアメリカ独立戦争。米国は英領のようなものであるというざっくりとした見方をしていたが、独立戦争とか南北戦争を経て英国を始めとする欧州の領地ということではない。

 もうひとつは第一次世界大戦。日露や日中(日清)の戦争をしていた頃には日本は列強と並び、英国からアメリカを経て地球の反対側で英国とロシアがぶつかったというのは冷戦時代の考え方で、それ以前には日本が中国を領有しようとして米国からストップをかけられているという歴史があるらしい。

 しかし、大枠でボスニアヘルツェゴビナから第一次世界大戦へと習うので、細かいことを知らないと欧州で勝手に始まって日本が巻き添えという史観が出来ていた。

 これらは「世界史が面白いほどわかる本」から学んだことも大きいが、飲み屋で同い年のTRPG系の友達に飲んで「俺はこうだと思っている」というのと、別の同級生で理系に進んだのが日本史受験で世界史を取っておらず「お前ももっかいやれ!」と件の本をすすめ、そうしているうちに俺の通読より皆読み込みが深く「ここを読め!」と言わんばかりに忘れていたような他の友達から連絡が回ってきたことも大きい。

 そうして、自分のノートも見ていると、恐ろしいことに2023年の10月の欄に「株式の利回りをチェックする」という過去にその頃に読むようにメモしたスケジュールが見つかった。多分去年の10月にスケジュール帳を買った時にも株をやっていて、毎日チャートを見てしまうので、いったんその生活ルーティンはやめて来年(今年)の10月ごろまでは「お金、お金」とならないで勉強時間を取ろうと思ってそう書いたはず。

 そんな予定を入れずとも、毎日ニュースの終わりに日経平均が出て今はバブル期並みの水準だ。歴史は繰り返されるのだろうか。

 繰り返す歴史というと銀河英雄伝説の若き天才ラインハルトは元老院が歴史を踏襲して打った作戦の「ダゴンの殲滅」が敵方の不敗の魔術師ヤンウェンリーに破られることを予見した。歴史の再現とそれを踏まえた一手は新しい手で破られる。

 そんなSFホモ小説を何故読んだかというと、件の同級生が「読みたいならやる」と10巻まとめてくれたから今でも家にある。俺は6巻くらいで辞めた気がするが、やっぱ1~2巻の頃が人気で面白く田中芳樹の思想が詰まっていると思う。「腐敗した民主主義」みたいな文言もそのへんから気に入っていたはずだ。

 まあでも、腐敗と言わず現代は「成熟した民主主義」ではあると思う。20代で会社の先輩にそんな話をすると「ああいうのは高校生くらいまでに読んでおかないと辛いですよね」という話になり、別のMTG仲間にも「君なんでそんなオタク趣味をからかうの?普通のバンド好きなテレビっ子の兄ちゃんでええんちゃうの?今更ガラ仮面から少女漫画やり直すか?ええ!?」と酔って迫られ、この話はここまでにしようと思いました。

 史観を自分なりに整理してオタ同士ですり合わせて戦争の話をするというのもガンオタのやり方から学んだものだ。俺はガンダムはRX78で十分派だが。

 一度こういうオタ話についていきたかった。俺は俺で格闘ゲームまたやるから。


🄫1999-2023 id:karmen