いやＭＡＣアドレスとかＩＰアドレスまで割ったわけではないけど日本のオタに擬態しているツイッターアカウントからＤＭが来て、まあ晒すことはしないけどほとんどの人は無視するんだろうなと思いつつも「なぜ人が何かを訴えて無視するか」をふと気にして、チャットのようにＤＭの相手をしていたんです。
会話の内容までは明かしませんが、どうやらＡＩとペアを組んで会話内容を作っているらしく、中国人とおぼしき仮想人格だったのですが、こちらが手早くタイピングするとつっかえて、最後にはクアランプールであると明かしてでも最後まで日本語訳を添えてお別れとなりました。
俺もインターネットとか何なのか、家のパソコンから世界につながるとワクワクしたのは一瞬でＨＴＴＰで接続できる海外のサイトはすべて英語で、どこもクレジットカード番号で商品を日本より高い相場で売っているお買い物サイトしか接続できなかったんです。１９９０年代の終わり頃ですね。
それから俺は専門学校だけど、他の大学の友達と通信してゲーセンで落ちあい、首都圏から関西に遊びに来るときウチが寝床を貸すという感じで、その悪乗りで田舎まで旅館もホテルも取らず旅行に出たり、東京に行ってサラリーマンの狭いマンションで毛布を借りて寝泊りしたりしていました。ちょうどＲＰＧウィザードリィの「うまごや」に泊れば無料でＭＰが回復するみたいなゲーム感覚でした。
しかし流石にその仲間とアメリカまで行った時は先に地図見て計画立ててではなく鉄砲玉のように行ってしまって、ゲーセンまでヒッチハイクで帰りも送ってもらうという現地の人の良心によってどうにか生きて帰っただけで、いちど砂漠の真ん中で車を止めて降ろされて「出てごらん」「この格好で夜になったら死ぬの分かるよね？」というやりとりがあったわけです。でも空港から日本に帰る時には帰ったらまた会社の仕事が待っている旨を「ノルマ」という拙い英語で説明して「それならもう全部やめてみんなでロサンゼルス（フィラデルフィア）旅行でもしないかい」と誘われて、有り金全部無くなったら死ぬんちゃうかと怖くて日本に帰る組を選びました。ロサンゼルス組からひとりプロゲーマーが出ましたが、連絡が付かなくなりＳＮＳアカウントも消えて日本では見なくなって、そっくりで別の名前でゲーセンで似たやつを見かけましたが挨拶ももうしませんでした。
あれから、仕事でも日本にいるけど本当に日本人か分からない人って結構いるよなって、外国人を表明して日本に滞在できるのって技能実習とか受けている途上国優等生で、そうではなく街にいるたくさんの人の国籍なんていちいち全部知らないわけで。
そうすると、最初の件のチャットの相手もどこの誰だかまだ分からないわけだけど、それに対してメールや住所や電話番号を明かすのも犯罪リスクがあると思って「待ち合わせ」という手段が良いのではと持ち掛けたけど、こちらからクアランプールに行って相手がもしいなかったらとか、相手にしても日本に来て空港に誰も迎えに来なかったらとか考えると、本当に通信相手の人の良さと楽天的な性格で強運だけで生きてきたのだなと思うわけです。それに待ち合わせにしたって事前に風貌をお互いに写真とかで送って見分けのつかない人が現れたとして、その周りにいるエキストラというか登場外人物に思っていた人全員が向こうの国の向こうの仲間かも知れないわけで。
その意味では、最初は空港をふたつ通る時点でめちゃめちゃ怪しまれたけど、ゲーセンに着いてストIII3rdの台があって、それからゲームを一緒に遊ぶ前と後で印象は随分変わりました。通訳の人もいたけど、ゲームの「話」は向こうの一部の人と俺だけ盛り上がって、あとはひたすら対戦する組がいて、誰も話せなくてヤキモキしていました。
そうすると、今までの自分と比べてネットの向こうから気さくに話しかけようとする相手は想像力が欠如していると考えるか、それともテレビ漬けで怖い犯罪のニュースを見てどこの国の普通の人が持っている集団生活をする人間の根本的な「善意」みたいなものを信じられないのとどちらの方が想像力が足りないか天秤にはかけられません。
まあ、外国に友達が出来るというのはワクワクして楽しいことかも知れんが店に入って食事するだけでも国際的な価格の大小は如何にして、カネは交通費や食費を計算して足りると思う分だけ持ってきてから日本に来た方が良いぜって返しておきました。
ＬＩＮＥは使ってないけど以前にアカウントは作って、今更そんなの聞き出して何に使えるんだろうなと思ったけど、その通信から通信不調が２回起きて、最新版のウインドウズだから自動で直してくれたけど、これＴＣＰ／ＩＰでも電話攻撃くらいは出来る奴は出来るし、中国人でもクアランプールでもなくどこかのハッカーが作った偽装人格なのかもなぁとかぼんやり思うなどしたわけです。
