正直言って自分のオタ成分が把握できない

 流されるように生きて来て「こうありたい」という意思がやや弱いのは部屋からこんな本を見つけたときに思うものである。

 んー、漫画家なりたかったかなぁ、と思い返す程度に。

 「ストIIを極める」みたいなのはいつ頃そうしようと思ったかハッキリ思い出せないが「中学高校が奈良学園」というだけで他校からやや特別視されるも校内ではC組でスポーツも市中体でバレー部を辞め、バンドが好きだが当時はまだギターを持っておらず、すげーモラトリアム人間のまま22歳で義務感から就職したけど、家に帰って来てから親父の店の手伝いが出来るかというと永年半人前のレッテルを周囲から貼られる。

 そりゃまあ、サラリーマンと言っても会計ではなくプログラムの組み込みで派遣社員という特殊な稼業だからね。そしてその年収が周囲より比較的に高いとされていた時は警戒感というかやっかみというか目を付けられている感じがしたけど、一般的に派遣は正社員より下みたいな常識がネットに流布されて軽く扱われることはあれ、警戒感とか目を付けられるみたいなやりにくさは無くなったとは思う。

 奈良学園の中でアイデンティティが確立できず「ダルシム」とか「Ⅴ系バンド好き」みたいな悪目立ちの「ヘンさ」が無いとキャラが立たないみたいに思っていた節もあり、それが抜けてからは凡庸というか普遍というか普通を目指しながらも家族の中での負け役みたいな感じで「アホなんちゃうか」というキャラをやっていると「賢いんちゃうか」と思われて怯えてやる勉強が疎かになり、本当にアホなったんちゃうかと思う。

 職業適性検査を専門学校で受けたとき全部良くて選べなくなり、世の中は資本主義とか競争原理と言われるけど、別に競争無くても普通に満足のいく製品を作れている企業がイチバンを取るためだけの競争をしていると思っている節があって、させられている競争感からレーダーチャートで見て出っ張ったところを得意としてそこで競うのがしんどいから、他の適性のある方面に行こうとして写真のマンガの描き方の本を買ったんだと思う。

 曰くITは「スキルに見合ってなくても食える成長産業」というのもあって、競争は激しいが投資額も多くおこぼれが貰える。マンガとかギターとかで食うのは無理だとあきらめて「またITが良いなぁ」と思いながらも親父の店を継ぐことも視野に入れる。

 45歳までモラトリアム。自身を「オタ」と自称したこともあるが、優等生の一部がオタで奈良学園の優等生たるにはオタでなければいけないみたいな暗示があって、オタの話に付いていけずオタに憧れがあってマンガやアニメではなく「ゲームオタク」というジャンルを牽引してきたんだと思う。

 ここまで来て言うの?って思われるかもだけど、正直オタでは無いかも知れん。

 「十分オタだよっ!」と思う人がいたらオタなのだろうけど、オタはオタでも濃ゆさが違うみたいな話もあるかとは思う。濃ゆいオタになると趣味活を本業化出来るのであろうか、それともオタは知識武装で上回るだけで趣味能力は買いかぶりだろうか。


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