たらふく

 正月に備えた買い置きをしておらずコンビニに駆け込んだ。803円分の買い物をしたことは先の話として書いた。

 最寄りのファミマはやや品薄だったのでセブンイレブンに向かった。セブンに向かう交差点でロゴが入ったトラックと交差する。トラックはゆっくりロータリーに駐車して俺は店にはいる。どうやら品物が補充されそうだ。

 セブンイレブンの店内は店中びっしりの品揃えである。近鉄前のファミマはワンオペで品薄だったが、それはお客さんが集中したからで、セブンを見るとやはり俺んちの近所のコンビニはこういうものだよなと安心した。どういうものかというと、店満面の品揃えでいつも店員さんが待っていて、好きなものを選んで買える。

 俺はシノブフーズのおにぎりQの時代から待てずに帰るコンビニのファンだ。子供の頃からポカリスエットカロリーメイトが好物で、保存食や化学食品が食あたりを起こさず安心して食べられて、全国どこでも共通で手に入る。反対に自然栽培された野菜やお肉の部位などを見ても料理になっていないとどれがどうしたら食えるようになるのか良く分からない。ルーで作るカレーだけが唯一できる料理で、玉ねぎじゃがいもにんじんも自分で買ったことはない。

 そんな俺の買い込みというと、まず「じゃがりこ」ムーンライトクッキー、ちくわ5個パック、ベビーチーズ、ポールウインナー、りんごジュース、メロンミックスジュース、チーズ鱈、それにチョコチップスナックとコーンマヨネーズパン。レジ横でフランクフルトを頼むと締めて1981円であった。

 家に帰ってまず生鮮品を冷蔵庫に入れ、りんごジュースとフランクフルトを食う。これで何か足りないものが満たされて、体の奥から熱が湧き上がり、元気が出た。わけのわからないメシに思われるかもだが、カロリーメイトポカリスエットよりは自然食に近づいた。既製品で食事する生活を20年続けた成れの果てである。俺なりに隊長がどんな時に何を食えばいいかはコンビニ飯で分かっているつもりではあるが。

 しかし、賞味期限をよく見ないで前から取ったので、コーンマヨネーズパンの賞味期限が今日の夜だ。どうも夕食は姉の家で作るすき焼きをタッパに詰めて持ってきてくれるらしい。

 何時になるかわからないのでパンの封を切ると台所の勝手口が開いた。鍋ごとのすき焼きとパックに詰められたご飯にラップされた生卵がスーパーの袋で包まれている。

 とりあえず、すき焼きを食う。肉は食べると高級だと分かる脂の差した甘い肉だ。それは平らげた。白菜やらえのきに豆腐とお麩にネギなどが申し訳程度に入っており、鍋の大部分はうどんが占めている。野菜を食べてうどんを少し口にしてから、開けてしまったコーンマヨネーズパンを食ってみることにした。もしかしたら不味くて戻しそうになるかもだ。

 だが、そこは具がこってりと言ってもパンである。鍋の水分で乾いたパンは飲み物無しでアッサリと完食出来た。うどんを食って出汁を飲む。残すと生ゴミや洗い物が増えるので、基本何でも俺は完食なのである。

 勝因はビールを飲まなかったことだと思う。しんどいほどの満腹にはならず、薬を飲んでタバコを吸ってコップ半分ほど水道水を飲む。

 ブログを書き始めた時は「たらふく食った」と思ったので、題名を「たらふく」としたが、うどんとパンも入っているので、書いている間に腹がこなれてきた。

 明日の飯も残りのパンや冷蔵庫のポールウインナーやチーズがあるので安心だ。こうなる前はカップラーメンばかり食っていて、それで体を壊したこともある。だが、たんぱく質とか必須アミノ酸というものを覚え、チーズやソーセージに魚肉などコンビニ飯でもおかずに類するものを適度に取れば問題なさそうである。その間にはカップヌードルとシーチキンの組み合わせばかりという実験もしたのだが、何度か体を壊しながら、自分なりの食のバランス感覚が出来た。

 特に参考になったのが、炭水化物ではなくぶどうジュースなどの果汁と牛乳や肉などで糖質とたんぱく質を適量選んで摂取して、ひたすらKOFというゲームに打ち込むゲーマーの友人の食生活であった。彼に言わせるとご飯はウンコのもとで、ファンタグレープは「ぶどう」でぶどうだけで人間は生きていけるし、バランスよりも自分の経験で食いたいと思うものを食うだけで良いというシンプルな考え方で、肉付きも良く他の子達より健康でゲームも強かった。

 ファンタグレープはぶどうに見えるけど「ブドウ糖」という化学物質と着色料で出来ているんだよというと「そうなんだ」と言って、一緒に買い物に行った時に果汁のぶどうジュースウェルチーをすすめてみると「これうまいっすね」と言っていた。自分ごとではなく他人事だと自分が人から言われるような自然食のお節介を焼いているのだ。ここが俺の矛盾だ。

 最近思うのは化学調味料のインスタント食品の定性的な味に対する飽きである。人生経験上、何かの機会で「めっちゃうまいもの」を食ったことを覚えている。それに比べてインスタントは毎日食うとやや不味く感じることがある。ただ、腹が減って求めている時は旨い。栄養が体内で偏ってきた時そう思うのだろう。だがそれはご馳走で解消されるのではなく、りんごジュースとフランクフルトの時点で解消されている。

 その状態でも食えるのだから、姉の作った「すき焼き」はかなり旨いのだろう。旨いものだと空腹でなくとも唾液が出て喉を通る。何日にも渡るような「食い貯め」は人間できないのもだが、甘いものや油物を食って太るということはある。太るのは体脂肪をつけることで栄養を備蓄しているわけだから、これは現実的に食い貯めと等価だと思う。

 今日はたらふく食った。「太るかも:とか悩むことは多少ある。だが、それが嫌なら運動して痩せればいい。ある程度なら自分でコントロールできるだろうという自信はあるよな。


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