本棚の整理をして、捨てる候補に挙げたギターマガジンを読み返していた。
買った時からやたら浮いて古く見えるこの号はギターマガジンが若者向け雑誌からシニア向け雑誌に路線変更したのかなと思って取るのをやめた号だった。
しかしよく読むと、ユーミンや山下達郎のバックバンドのギタリストがおじいちゃんになって読者にお手紙を書いたかのような不思議な号だった。危うく全部読まずに捨てるところだった。
他にも、DTMマガジンの白黒の下っ端欄にもどこかの底辺プロのドラムの打ち込みが全部エイトビートで安っぽいことへの警鐘が二度に渡って記されていた。このお手紙も埃をかぶって10年近く物置に仕舞われて捨てる候補だった。
まだ、キーボードマガジンや楽譜欄が未読の雑誌がいっぱいあって、中には俺の買ったレコードの譜面を狙って書いたんじゃないかと思うような年度のミスマッチな譜面もある。
ギターを下級生から下取って、すぐに買った楽譜が10年くらいしてから弟に見つけられて、それがギター練習再開のきっかけだった。弟は俺に物を言わない。小さいときに俺が怒って殴ってしまってからしぼんでいるのだ。だけど、俺の持ち物をよく欲しがって俺の持っているものを大抵覚えている。俺は結構消費癖があって、ものは買っても捨てたり中古に売ったりして新しいものに刷新するという時期があったのだ。
それがパソコンを買ってから、暇なときにヤフオクを見ると捨てたものが懐かしく、買い返しブームになったこともあって、結果ほとんどものを捨てなくなり、ゴミ山みたいになってから、片付けでどうにか棚に収めて、手狭ではあるが新しいものを買わなくても物欲は満たされている状態でここ数年を過ごしている。弟が出て行って物置独り占めなのもある。
そして今日読んだギターマガジンは俺には甘えさせてくれるおじいちゃんが2人いちどに親戚になったような気分のする読書であった。後輩までできた気分になるから不思議だ。