そう言えば藤田さんもワイルドファイヤの密使に悩んでいたなぁ

 昭和の学校教育は戦後に敷かれたものだけど、大政奉還の後とは言え江戸幕府が敷かれていた頃の御法度は思想の中に生きた言葉となって残っており、全国統一を図った織田信長よりその世を継いだ豊臣秀吉が後で、さらに後の徳川家の政治が最も良いという考え方だった。

 これは他の要因として戦後復興を盛り上げるべく、右肩上がりの経済政策が敷かれベビーブームに団塊の世代から団塊ジュニアまで、経済の発展と科学の進化によって未来は明るくなるという展望があったことも後の時代の方が良いと考える後押しになっていただろう。

 だから古物を大事にするという思想は古くて、新しいものが良いという価値韓で俺は育ったから、それが少子高齢化で未来の展望は暗いという今の時代に良かったころの絶版カードやファミコンなどのガラクタが愛されるという消費動向も理解はできる。

 世の中は結果が大事だが、結果はやがて過去になる。今を生きるには過去から継がれたモノを習ったり継いだりすることが大事であるという右派と、未来に対し明るい展望を持つべきであるという左派がいる。俺は極端に左だったこともあるが、生まれで言うと親が金持ちで甘えるだけでも当代は大丈夫という右に付いた方が幸福な環境があり、そのなかで真ん中あたりまで来て右左とふらふらと揺れているのである。

 その中で、学問がそもそも左で、揺れていることに対してしっかりしていないところがあるので揺さぶるとまたあたふたとするのが面白く、からかわれているのだろう。

 ゲームで遊んでいても、白単色にすると「プロテクション(白)」をどうにもできない、しかしそのために他の色の出る土地を混ぜると平地と他の色の土地という2枚の引き合わせに「白騎士」が召喚出来ない土地事故も起こりうる。

 昨日の時点では確率計算で1枚島にした方が青スペルが安定して、平地を引いて来る確率は十分にあると計算したが駄菓子屋のおばちゃんもルールが分かってきたらしく「それやったら島を一番上にしたるわ!」というので、これで公平に繰り合って確率が生きるほど試合数を出すのではなく一発勝負でインチキを企んでいるという尻尾をつかんだと確信した。

 どのくらいインチキが出来るかというと、如何様にもやり口はある中で相手がどういうインチキをすれば相手は苦しむかというのを理解しているというのが不利なので、せめてそれだけはされないように島を平地に戻したのがこのレシピ。

 それでもまだ繰りようによって苦しい展開はあるが、マリガンなども加味すると、こちらの方が好スタートを切れるだろう。

 ゲームを始めた頃、カードを集めて弱っちいデッキでもどんどん作戦を立てて伸びてきている俺を面白がってくれる人は多かったが、藤田さんと遊んでいる時にその時がトーナメントの前日だったらしく「今そんな場合じゃないねん!ワイルドファイヤの密使をどうしようか考えてんねん!」と言っていて、藤田さんのデッキは白ウィニーらしくプロテクション(白)1枚でそんなに悩むなら色を変えたら良いじゃない程度に思っていた。

 しかしゲームというのは線形的なレベルアップで右肩上がりに強くなるだけなら最高同士でほぼ互角の勝負となる。それを制することだけを考えるものもいるが、それを制するところが先後であったり三つ巴であったりするものだ。

 先後で決まる場合、それはゲームとは言えなくなる。三つ巴は日本で好かれる形式であり、最高のものが全てを決める絶対王政に対して民主主義が敷かれ三権分立の政治で回っているのは責任のたらい回しにされがちだが、それが今の世の中なのだ。

 だから態度を白ウィニーと決めて、弱点を持ち「それには負ける」という姿勢でもって、白の仕事というか役どころというか、勤めを果たす方が周囲から扱いやすいのだ。

 結局、最初の織田信長に戻るが、俺は覇道を求めてすべてに勝ちたかったのだ。


🄫1999-2023 id:karmen