今日のMTG(ジレンマをひとつずつ読み解く)

 まあ、前回のデッキレシピで「どうしてボガーダンの槌のような強いカードを持っているのにショックのような弱いカードを入れるのか」という問いの答えとして白騎士が白白でボガーダンの槌が詠唱赤赤1(回収赤赤赤2)なので白赤であるバランスを考えると赤土地の割合が少ないため山は期待値的に1枚しか引かないものとして考えるの方が筋ではないかという一般論がまずあるわけですが。

 それで、山を2枚引く確率を上げるために山を増やすと白騎士を引いているのに平地山山という風に土地を3枚引いても白騎士が出ないというMTGのデッキ構築のジレンマがあるわけで。

 しかしまあ、初手に白騎士平地平地とあると「勝てるかも」と思うが、ショック白騎士山平地でゴーをかけるかというと、ショックは確実に打てるけど白騎士は出ない事もあるかもだ。

 白ウィニーは息切れの可能性があるから山と稲妻を入れようというような話になったので、あとひと押しがボガーダンの槌と分解ならそれはそれでそれだけでも勝てるカードなので、勝ち筋としては太くなるわけで。

 つまり平地山白騎士ショックはまだいい手札で、山山白騎士ならどうかという所で、山を5~8枚あたりで悩んでいたが、山を2枚引いたらショックや稲妻の路線では手損になり、そこに意外な授かり物でアドバンテージの取り返しなども画策していたが、ボガーダンの槌ならば山2枚が良い手札になってくる。

 実際にゲームするとなって、序盤の白騎士ラッシュで勝ててしまう場合と除去されて長引くことがあり、長引くゲームに於いて稲妻よりもボガーダンの槌のほうが有用であることは恐らく間違いがない。ショックにしているのは幾ら何でも仮想敵が弱すぎるのだろう。

 まあ、悩んでデッキを強くするために控えのカードから何か使えるもの無いかなぁと眺める時間がとても好きで、実際に対戦型としてデュエルすると大体同じようん展開で飽き飽きして眠気が来るので、従ってプレイヤーではなくデッキデザイナーみたいな立ち位置になったという過去を背負っているけど、華々しく活躍するのがプレイヤーのほうで、そのためには自身でデッキを持って大会を巡業する必要があり、地方を回ってみたら店でずっと友達と遊んでいてプロツアーとか参加しないけど強い人がいるというか、負かされて帰ってくることもしばしばあった。

 まあそれはそれで、土地事故のジレンマを解消してデッキが上手く回るということに終始するのではなく、デッキのポテンシャルの半分だったとしても強いカードと弱いカードはあって、強いカードを引くとそれだけでゲームを制してしまうことも十分にあり、議論では我の強い人の意見が強弁されて通るのが、実際にデュエルしてみるとこちらの方が正しくても、その対戦結果を知らない人からするといつも議論で良い負かされる人というところはあって、ただ議論をやめてデュエルで決めるとなると対決姿勢となるから諍いがおさまらないのであって、そこにコンピュータを持ち込んでも、結局はシミュレーションではなく大会などのイベントの結果で評価するのが妥当となる。

 そういうことを繰り返すうちに、どのデッキも強くなって結果を順位で見ると分からなくても、過去と比較すると自分もメチャメチャ強くなっていると思う。

 ただその過去というのがカードを手放してもういちどイチから出直そうと決めたアラーラの断片のころで、それ以前にプロツアーに参加していた5CGとかカウンターバーンと今のデッキをレギュレーション度外視で戦わせるとどっちが強いだろうと思うと、手放して手元にないものを思って侘しくなったりするのだけど、使うお金の量はググっと減って、あの頃に「相手はこうだとすると」と考えていた相手のような発想のデッキ路線で強くなってきたと思う。

 勝とうとしたら普通そうなるよね、という多くの人が分かる落としどころとは異なったところでお金をジャンジャン使ってレアカードまみれの異端のデッキを組むのでせめてお客さんとして大会くらい取らせようかみたいな話だったのではないかと。ルーキーイヤーだったわけで。

 そうすると、地方の店に遊びに行って皆が各レアカード4枚ずつのチャンピオンデッキのコピー品を持っていたら「そりゃそれには負けますよ」って出資面で弱気なところを持ったまま、手持ちのカードで参加費のおまけのパックなり入賞賞品なりを集めて、その範囲で強く出来ないかとやっていたわけだけど、このボガーダンの槌3枚だけはカウンターバーンをやってた頃の思い出に今でも大事にしているカードで、カウンターバーンが青青の対抗呪文と赤赤1のボガーダンの槌を回して勝っていたわけで、それで勝てていたんだから白白の白騎士とボガーダンの槌を組み合わせる方がどう考えても相手にダメージを与えて勝つゲームに勝ちやすいわけで、そこを取って「勝ち筋が太くなった」とこう思っているわけです。

 まだまだ練ったらもっと強くならんかなって思っていますが、今日のレシピはこれ。

 ただまあ、稲妻とボガーダンの槌を比べたときにインスタントとソーサリーの差があって、白騎士の先制攻撃と稲妻(ショック)のインスタントとの組み合わせで先制+インスタント火力で大型クリーチャー除去になるというのも稲妻の優位性なわけだけど、それに対する正論が相手がドラゴンを出して白騎士でアタックしてブロックして負けてからボガーダンの槌を打つと2対1交換で損しているようだけどボガーダンの槌は回収できるという論理がボガーダンの槌のほうが強いカードという論理の裏打ちとなる。

 つまり5マナで1ドローを無制限に出来るわけで、これと「予言」や「組み直しの骸骨」などでグリクシスのアドバンテージの取り方と組み合わせ出来ないかなと思ったりもするんだけど、1/1の骸骨を引いて嬉しいかというと疑問で、2/2の白騎士や3点ダメージの稲妻って引いて嬉しいカードだから、予言を入れても引いて来るのは結局白騎士や稲妻ばかりのデッキならボガーダンの槌で毎ターン稲妻引いてるのと同じになって、やがてディアドバンテージも取り返せるというのが今日の結論。

 その辺が理屈としては正しそうだけど、即効性とか土地事故とかのジレンマは結局のところリスク保有というわけで、完璧を目指すと事故はあるけど、勝率以前に勝ち筋があるかという段から考えると、既にメチャクチャ強いデッキになっているかと。


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